京都を拠点に活動する劇団「下鴨車窓」は演劇作品『透明な山羊』を2022年10月に東京と長崎、北九州で上演いたします。この作品は2021年夏に京都で初演、続けて松山と津で上演されてきました。
主を失ったある山小屋に人々が集まってきます。亡くなった主にさまざまな因縁を持つ人々です。空っぽになった場所が残るだけで、もうそのしがらみから解放されたはずなのにまとわりつくような何かが彼らを留めます。家族から国家までさまざまな場所にいる「父」や「父的な何か」を切り口にわたしたちが生きる今を描きます。〈上演時間=およそ90分〉
[舞台監督・照明]河口琢磨[舞台美術]川上明子[音響]森永恭代[イラスト]岡林真由子[当日運営]葛川友理/北村功治[主催・企画制作]下鴨車窓(東京+長崎公演)/mogamos合同会社(北九州公演)[助成]芸術文化振興基金(東京+長崎公演)[提携]アトリエPentA[協力]努力クラブ/ブルーエゴナク/ニットキャップシアター
※京都芸術センター制作支援事業

朝になったからって
幽霊は消えてなくなる
わけじゃない
逆にどうなんだろうと彼女は考えた。突然じゃない知らせってあるものなのか。いつだって誰かに不意に告げられる、それが「知らせ」だ。中身によるところはある確かに。知らされた中身に戸惑って「そんなこと突然に言われても」とつい口にしてしまう。嫌だった。受け取りたくなかった。けれども「知らせ」とは受け取ることで初めて「知らせ」になるものだし拒めない。そして知ってしまえばもうどうしようもない。
高速を下りて国道を走る。ここからはほとんど一本道。ずっと後ろについていた車もいつのまにかどこかへ行ってしまった。彼女はバックミラーを少し直してアクセルを踏み込む。まっすぐ行けばあそこに着く。目の前に広がる山の奥。わたしを待つ人はいなくなってしまった。その人がいた場所だけがある。空っぽの、記憶だけの、曇天の。
出演者

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田辺剛[脚本・演出]
劇作家・演出家。2005年に『その赤い点は血だ』で第11回劇作家協会新人戯曲賞、2007年に『旅行者』で第14回OMS戯曲賞佳作を受賞。2006年には文化庁新進芸術家海外留学制度で韓国・ソウル市に一年間滞在し劇作家として研修する。また児童向け作品『きみがしらないひみつの3人』が令和元年度社会保障審議会児童福祉文化財の推薦作品に選出。
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『透明な山羊』に関するツイートまとめ
新型コロナウイルス感染症について
下鴨車窓は新型コロナウイルス感染症の状況をつねに注視しています。各公演ともに劇場の定めるガイドラインに則り開催します(感染症対策についてはご来場前に会館ホームページをご確認ください)。両公演とも今後の社会情勢により公演を延期・中止する場合がございますのでご了承ください。詳しくは下鴨車窓にお問い合わせください。
東京公演
30日(金)13:00/19:00
2日(日)13:00
一般=4,000円
ユース(25歳以下)=3,000円
※ユース(25歳以下)の方の割引には年齢を確認できる証明書のご提示が必要です
※当日券は残席数に応じて販売いたします。ご入場は開演直前のご案内となります
※チケットを事前購入されると各料金1割引となります
こちら
※8.25から販売開始
こまばアゴラ劇場
・京王井の頭線「駒場東大前」駅東口から徒歩3分
※駐車場はございませんので公共交通機関をご利用ください
長崎公演
16日(日)13:00 ※2
※1 ゲスト:福田修志
※2 ゲスト:森馨由(劇作家/劇団HIT!STAGE
(敬称略)
一般=3,000円
ユース(25歳以下)=2,000円
※ユース(25歳以下)の方の割引には年齢を確認できる証明書のご提示が必要です
※当日券は残席数に応じて販売いたします。ご入場は開演直前のご案内となります
※チケットを事前購入されると各料金1割引となります
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アトリエPentA
・「大波止電停」から徒歩5分
・JR「長崎駅」より徒歩9分
※駐車場はございませんので公共交通機関をご利用ください
北九州公演
19日(水)19:00 ※2
一般=3,000円
ユース(25歳以下)=2,000円
※ユース(25歳以下)の方の割引には年齢を確認できる証明書のご提示が必要です
※当日券は残席数に応じて販売いたします。ご入場は開演直前のご案内となります
※チケットを事前購入されると各料金1割引となります
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枝光本町商店街アイアンシアター
・JR「枝光駅」より徒歩10分
※駐車場はございませんので公共交通機関をご利用ください