いまある若者らの悪と孤独の物語
『微熱ガーデン』の舞台は地方都市にある古アパートの一室です。そこでは学費や生活費に困った女子大生が植物を違法に栽培しています。社会の片隅に置かれ悪意なき悪と孤独のなかでなんとかして次の一歩を踏み出そうとする若者たちを描く作品です。衣食住に困窮する「絶対的貧困」に対して外見からは金銭的に苦しいようには見えずスマートフォンも持っている、けれどもギリギリの生活のなかでやり繰りするのが精一杯のところで生きる「相対的貧困」というものがあります。なんとかやってはいけるがそれ以上にはいけないという状況にジリジリと追い詰められる中で孤独になり、見えないさまざまな悪意がさらにその状況を強くさせます。最後の場面で描かれる希望すらそれが悲劇の始まりであるという皮肉に観客は魅了されています。
2016年に初演され、2018年からは各地を巡演するスタイルで上演を繰り返し2022年までに10都市を訪れました。
戯曲『微熱ガーデン』
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上演記録
12.8(木)-11(日)@京都/スペースイサン
fullsizeとは地元京都での若手の俳優やスタッフを発掘・育成する目的で設立された劇団です。下鴨車窓が主催しています。
出演=岡村藍菜、奥村奈緒、川畑誠秀
▼2020年
12.15(火)-16(水)@長崎/アトリエPentA
12.12(土)-13(日)@宮崎/三股町立文化会館
7.4(土)LIVE配信公演
※上演は京都/人間座スタジオにて
▼2019年
10.30(水)-31(木)@松山/シアターねこ
10.25(金)-27(日)@大阪/ウイングフィールド
02.11(月)@北九州/枝光本町商店街アイアンシアター
02.09(土)-10日(日)@福岡/ゆめアール大橋大練習室
▼2018年
12.15(土)-16(日)@津/津あけぼの座
12.08(土)-09(日)@札幌/シアターZOO
11.23(金)-26(月)@京都/studio seedbox
出演=中村彩乃、野村明里、吉田知生
▼2022年
12.20(火)-21(水)@松山/シアターねこ
12.17(土)-18(日)@高知/蛸蔵
1.29(土)-30(日)@津/津あけぼの座
1.22(土)-23(日)@大阪/ウイングフィールド
出演=諏訪七海、橘佳輝、岡田菜見